任意整理がおすすめ
借金問題でお悩みの方へ朗報です。 任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉して債務を整理する方法です。
手続きがシンプルで迅速に終わり、財産を手放さなくていいというメリットがあります。
一方で、信用情報に影響が出るなどのデメリットももあります。
そのため、自分の状況に合った債務整理の方法を選ぶことが重要です。
この記事では、
- 任意整理の概要やメリット・デメリット
- 任意整理がおすすめの人の特徴
について詳しく解説します。
任意整理とは何か
概要
任意整理は、裁判所を通さずに債権者と交渉を行うのが特徴です。
司法書士等が仲介役となり、債務者と債権者の間で返済条件の見直しを行います。
例えば、利息や遅延損害金をカットすることや、毎月の返済金額を下げることが期待できます。
任意整理は裁判所を通じない手続きであることから、簡易迅速な解決を目指せます。
また、仕事や家族、保有する財産への影響も小さく抑えられるのもメリットの一つです。
一方で、信用情報に影響が出ることや、借金の減額幅が小さいことはデメリットです。
任意整理のメリット
利息を減額できることがある
第一に、債権者との交渉により利息の引き下げや減額が実現できることが挙げられます。
借金が減らない理由のひとつに、高額な利息が挙げられます。
例えば、借金60万円を考えてみましょう。
このケースでは、利率が年利18%場合、最大で9000円の利息が発生します。
毎月の返済額が10000円の場合、10000円から9000円の利息が引かれ、元金に1000円しか当たってない計算となります。
そのため、返済には、13年の時間と、総額950,000円の利息を付した、元金と利息の合計1,550,000円の返済が必要となります。
元金 | 600,000円 |
年利 | 18%(利息制限法に基づく最大利息) |
返済額 | 10000円 |
返済期間 | 13年 |
利息 | 約950,000円 |
支払総額(利息+元金) | 1,550,000円 |
任意整理を行うことで、この利息を削減することが出来ます。加えて、返済額も抑えられる場合も多いです。
任意整理をした場合の返済シミュレーションは以下のとおりです。
元金 | 600,000円 |
年利 | 0% |
返済額 | 17,000~10,000円(条件次第でさらに減額できる可能性あり) |
返済期間 | 3~5年(条件次第でさらに伸びる可能性あり) |
利息 | 0円 |
支払総額(利息+元金) | 600,000円 |
つまり、借金返済が簡単になるということです。
手続きがシンプルで早い
任意整理は裁判所を介さない手続きです。
そのため、手続き開始から半年程度で終わることもあり、スムーズに進むことが多いです。
財産を手放さなくて済むことが多い
債務整理の代表的な手続きと言えば、自己破産でしょう。
自己破産においては、住宅や車等の財産を売却、清算しなければなりません。
加えて、ローンの残った借金を債務整理すると、その商品等は引き揚げられ、売却されて借金の返済に充てられます。
任意整理の場合は、財産を手放さずに済むケースがほとんどです。
また、任意整理では、整理の対象を選べます。
つまり、ローンの残った借金を整理の対象から外すことも可能なのです。
そのため、財産への影響が小さいというのがメリットです。
保証人に迷惑をかけずに済む
整理の対象を選べるということには他にもメリットがあります。
それは、保証人がいる場合です。
保証人は、主たる債務者が返済を出来なくなった時に、借金を代わりに返済する義務があります。
そして、債務整理を行うということは、まさにこの「返済が出来なくなった時」です。
ですから、保証人のある借金を整理すると、保証人に請求が行ってしまうのです。
ですが、任意整理であれば、債務整理をする対象を選べます。
このデメリットを避けることが出来るのです。
家族に知られずに借金を整理できる可能性が高い
裁判所を通して行う自己破産や個人再生では、家族の協力が必要の場合があります。
また、自己破産や個人再生では、整理の対象を選ぶこともできません。
家族に借金をしている場合、それも対象としなければいけないのです。
一方、任意整理であれば、このようなデメリットを回避可能です。
任意整理のデメリット
信用情報機関に情報が登録される
任意整理をすることで、信用情報に事故情報が登録されることとなります。
これにより、審査に通りづらくなり、以後の借入に影響を与える可能性があります。
全ての借金を免除されるわけではない
任意整理は、基本的には返済条件の改定を目指すものです。
また、カットされるのは利息や遅延損害金等で、元金が減ることはほとんどありません。
言い換えると元金相当のお金の返済を前提とした手続きなのです。
全ての借金が帳消しになるわけではありません。
任意整理がおすすめな人の特徴
以下のような特徴を持つ人には、任意整理がおすすめです。
任意整理がおすすめな人(1)|借金の額が比較的少ない人
任意整理のデメリットでも言った通り、任意整理は返済を前提とした手続きです。
そのため、返済が出来ないほど元金が膨らんでいる方には向いていません。
借金の総額があまり多くない方や、返済が難しくないが、支払いをスムーズに行いたいと考えている人には、任意整理がおすすめです。
任意整理がおすすめな人(2)|財産を手放したくない人
自己破産や個人再生の場合は、財産を処分しなければならないケースがあります。
ですので、家や車などの大切な財産を守りたい人には、任意整理がおすすめです。
任意整理がおすすめな人(3)|保証人がいる人
保証人に迷惑をかけたくない場合、任意整理は保証人の責任を最小限に抑えるための手段となります。
債務者と保証人の財務状況を守るため、返済計画を適切に立てることが可能です。
任意整理がおすすめな人(4)|手続きを短期間で終わらせたい人
裁判所を通さないため、手続きがスピーディーに進む利点があります。
長期間にわたる法的な手続きを避け、早期に借金問題を解決したい人には、任意整理が有益です。
任意整理がおすすめな人(5)|家族や会社に内緒で借金を整理したい人
裁判所を通さない手続きであるため、家族や会社に借金問題を知られるリスクが少ないのが特徴です。
そのため、家族や会社に内緒で解決したいと考える人には、任意整理が適しています。
まとめ
任意整理は、裁判所を介さずに債権者と直接交渉して債務を整理する手続きであり、借金問題を抱える人にとって有効な選択肢の一つです。
手続きがシンプルで早く、財産を手放さずに済むことが多いというメリットがあります。
一方で、債権者との交渉が必要で時間がかかることがあり、全ての借金が免除されるわけではないというデメリットもあります。
借金の額が比較的少なく、財産を守りたい人や保証人がいる人、手続きを短期間で終わらせたい人、家族に内緒で借金を整理したい人には、任意整理がおすすめです。
自分の状況に合った債務整理の方法を選択することが重要であり、専門家に相談することをお勧めします。