特定調停がおすすめ
特定調停は、裁判所の仲介で債権者と交渉し、無理のない返済計画を立てる手続きです。
多重債務や不安定な収入、自力解決の意欲がある方に特におすすめです。
申立費用も比較的安く、利息や毎月の返済額の引下げも可能です。
ただし、手続きは複雑で時間もかかるなど、問題点もあります。
この記事では、
- 特定調停のメリットとデメリット
- 特定調停がおすすめの人の特徴
を詳しく解説します。
特定調停とは何か
特定調停は、借金の返済ができなくなるおそれのある債務者の再生を図る目的で、裁判所の仲介により債権者と交渉を行い、無理のない返済プランを作る手続のことです。
この手続きは弁護士や司法書士を頼らずとも、自分一人で行える手続きです。
ですが、あまり使い勝手が良くない面もあるため、利用者が多くないのが現状です。vvvvvvv
特定調停の良い点
特定調停にはいくつかのメリットがあります。
まず、費用が比較的低額に抑えられます。
通常、債務整理を弁護士に依頼すると、報酬や着手金を支払わなければなりません。
ですが、特定調停であれば、自分だけで申し立てることが出来ます。
加えて、裁判所に納める費用も1社あたり500円程度とかなり安く済みます。
そのため、手続き全体にかかる費用が安くなるのです。
また、複数社から借金がある場合でも、一括して債権者と交渉することができます。
さらに、特定調停手続き開始後は原則的に債権者の取り立てが止まります。
裁判所を介して中立的な立場で問題解決ができる点も大きなメリットです。
特定調停の注意点
その一方で、特定調停にはいくつかのデメリットも存在します。
まず、手続きが複雑であるということです。
債務者自身で手続きを進めなければならないため、知識と時間が必要になります。
また、特定調停で必要な返済計画は債権者の同意が必要です。
そのため、全ての債権者が合意しなければ計画が頓挫してしまう可能性があります。
さらに、特定調停で全ての借金が帳消しになるわけではありません。
利息や遅延損害金をカットしたうえで、返済が必要になるのです。
債務者自身が2度程度出頭しなければならない点も考慮すべきデメリットです。
さらに、すべての債務整理に共通していますが、信用情報への影響は特定調停でも生じます。
つまり、完済から数年間、新規の借り入れが出来なくなる可能性があるということです。
特定調停がおすすめの人の特徴
ここまでは特定調停の概要やメリット・デメリットについて解説してきました。
ここからは、特定調停がおすすめの人の特徴について解説します。
- 早期に返済計画を立てたい人
- 多重債務を抱えている人
- 自力で債務問題を解決したい人
- 将来にわたって安定収入が見込めない人
早期に返済計画を立てたい人
まず、早期に返済計画を立てたい人が挙げられます。
例えば
- 借りたり返したりを繰り返す状態を続けており、借金問題が解決しない方
- 返済が滞ることがあり、取り立てに悩んでいる場合
- 借金を完済し、将来の経済的安定を目指す人
にとって非常に有用です。
借金が減らない理由の一つに、高額な利息があります。
特定調停をすることにより、この利息を減額できることがありますので、それにより、返済が容易になる可能性はあります。
また、特定調停手続き開始後は債権者の取り立てが止まります。
この間に、安定した返済計画を策定することで早期に経済的安定を取り戻せます。
多重債務を抱えている人
次に、多重債務を抱えている方です。
特定調停は、複数の金融機関から借入があり、返済が難しい場合も効果的です。
たとえば、クレジットカードやカードローンなど、複数の債権者がいる場合、特定調停を通じてこれらの債務をまとめて一括で返済計画を立てられます。
これにより、個別に交渉する手間や時間を大幅に省くことができます。
また、特定調停では利息制限法に基づいて、過払い金の返還や利息の引き下げ交渉ができるため、高額な利息負担を和らげることも期待できます。
これにより、月々の返済額を減らし、より無理のない返済計画を組むことが可能になります。
自力で債務問題を解決したい人
特定調停は、弁護士に頼む費用が重荷になる場合や、自分で問題に取り組みたいと思う人にもおすすめです。
特定調停は、裁判所に納める費用が比較的安く済みます。
さらに、裁判所を通じて行う手続きに関わることで、自分の状況を客観的に理解できます。
自ら問題解決に向けて主体的に動くという意味では、プラスがあるかもしれません。
ただし、
将来にわたって安定収入が見込めない人
特定調停は、失業中や収入が不安定な状況にある人にも利用できる手続きです。
たとえば、自営業者や派遣社員、季節労働者などは収入が安定せず将来の収入も保証されていないことがあります。
このような方が特定調停を利用した場合、現在の収入状況を考慮して返済計画を立て、無理のない範囲で借金を返済できます。
さらに、病気やケガで働けない場合は、障害年金や労災保険などの収入情報を提示し、返済計画に反映させてもらえることもあります。
ただし、これはあくまでも「債権者が同意をした場合」の話です。
債権者が同意しなければ、自己破産や個人再生を利用するほかありません。
そのことは念頭に置いておくべきでしょう。
まとめ
特定調停は、借金返済に行き詰まった個人が裁判所の仲介で債権者と交渉し、新しい返済計画を立てる手続きです。
複数の債権者への返済が難しい多重債務者や、将来の安定収入が見込めない人、自力で債務問題を解決したい人、早期の返済計画策定を目指す人に特におすすめです。
費用が比較的安く、過払い金の返還や利息引き下げ交渉もできるため、無理のない返済プランを作れます。
また、手続き開始後は取り立てが止まるため、経済的な安定を早期に取り戻せるでしょう。
一方で、手続きが複雑で時間がかかることや、全ての債権者の同意が必要なことなど、デメリットもあります。