任意整理中でも、スマホを手放すことなく使い続けられる可能性があります。
ただし、新規の契約等には、悪い影響が出る可能性があります。
審査に通らなくても、一括払いや中古品の購入など、いくつかの方法があるんです。
ただし、利用料金の滞納だけは絶対にNGです。
この記事では、
- 任意整理中に携帯を使えるか
- 任意整理中に携帯の契約はできるか
- 任意整理中に審査に通った人は何をしたか?
などの、任意整理とスマホのについて詳しく解説します。
任意整理をしても携帯は使えるの?
滞納がなければ携帯を利用できる
任意整理をする際、携帯電話やスマホの契約を普段通り維持できるケースが多いです。
具体的には、
- 端末代金の支払いが完了している
- 利用料金に滞納がない
という状況であれば、契約を継続することに問題はありません。
また、任意整理とは、借金の整理を進める際に対象とする業者を自分で選べます。
そのため、通信会社を任意整理の対象外とすることができれば、携帯電話やスマホの利用に影響を与えることなく、契約を続けることが可能です。
例えば、通信会社が任意整理の対象外である場合は、分割払いの契約をそのまま利用できます。
これにより、日常的な通信サービスの利用を継続することができるのです。
料金の滞納があると、解約になることも
ただし、携帯電話やスマホの分割代金や通信料金が未払いのある状態で、これらの料金を任意整理の対象とした場合には、契約が強制的に解除されるリスクがあります。
この場合、通信会社は「任意整理で料金の支払いを免れた」と判断することがあり、その結果、契約が解除されることもあるのです。
他にも滞納料金があると、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- 強制解約となり携帯電話やスマホが使えなくなる
- 未払いの料金を一括で請求される
- 延滞損害金が請求される
- 裁判を提起される可能性もある
これらの問題を回避するためにも、常に滞納のないよう管理することが大切です。
任意整理の前後で携帯の契約はできるの?
携帯やスマホの料金未納情報は各通信会社で共有される
多くの携帯電話会社は、TCA(一般社団法人電気通信事業者協会)という団体に所属しています。
この団体では、各社の滞納情報が共有されており、ある通信会社で料金を滞納すると、その事実は他の通信会社にも伝わります。
これにより、携帯の新規契約が難しくなる可能性があります。
近年では携帯料金の滞納による契約拒否は「携帯ブラック」とも呼ばれているようです。
ただ、滞納分の支払いが終われば、TCAの情報が削除されることとなります。
これにより、新規契約が可能になることもあります。
つまり、適切な対応をとることで、新たに契約する機会を取り戻せるでしょう。
端末本体の分割購入はできなくなる
実は、携帯の料金には2つのものがあります。
まず、利用料金です。もう一つは、携帯の本体の料金です。
この二つを合わせて、毎月各携帯会社に支払いを行っているのです。
そして、利用料金の未納情報はTCAで管理され、携帯電話会社の間で共有されます。
一方、端末代金の分割購入の情報は信用情報機関(CICなど)が管理し、金融機関の間で共有されます。
そして、任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト」に掲載される状態になります。
これにより、携帯電話やスマホの端末を分割で購入することが難しくなることがあります。
分割購入は信用取引の一種であり、将来の支払いを約束する形で契約が成り立ちます。
そのため、任意整理後は分割購入の審査に通過しにくくなります。
任意整理を検討中の方は、この点も考慮に入れる必要があります。
このように、任意整理後も携帯電話やスマホを利用することは可能ですが、分割購入の契約には影響が出ることがあります。
任意整理中でもスマホの分割払い審査に通るケースは?
では、任意整理前後は、スマホの分割払い審査に通るケースはないのでしょうか?
これは、一般的には難しいと考えるのが賢明でしょう。
割賦販売法に基づいて信用情報が参照されるからです。任意整理をすると信用情報に影響が出るため、簡単には審査には通りません。
しかし、任意整理の前後でも、分割払いの審査に通過する場合もあります。
以下では、審査に通過したケースや、考えられる理由について説明します。
審査に通過した理由
10万円以下の端末を申し込んだ場合
まず、10万円以下の端末を申し込んだ場合です。
そもそも、携帯の本体の売買には、割賦販売法が適用されています。
具体的には、スマホや携帯を分割払いで購入する場合、携帯電話会社と「個別信用購入あっせん契約」を締結することになります。
この契約に基づいて分割払いが実施され、割賦販売法に従って申込者の信用情報が照会されます。
ただし、この法律には、「少額店頭販売品」という例外規定があります。
少額店頭販売品では、通常の審査基準が適用されません。代わりに、簡略化された審査が実施されることとなります。
そして、スマホの端末代金が10万円以下の場合、割賦販売法における「少額店頭販売品」として扱われることになります。
そのため、審査に通過する可能性があるのです。
携帯の利用料金に延滞・滞納がない場合
端末代が10万円以下であっても、審査に通過するかどうかは他の要因にも左右されます。
特に、利用する携帯やスマホの利用料金に延滞や滞納がないことが条件です。
各携帯電話会社は、TCA(一般社団法人電気通信事業者協会)という独自のネットワークを活用して利用料金の記録を共有しています。
利用料金の延滞や滞納があった場合、TCAでは厳格な措置がとられるため、たとえ10万円以下のスマホであっても分割購入ができなくなるおそれがあります。
逆に、利用料金の延滞や滞納がなければ、分割審査に通過する可能性が高まります。
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、必ずしも全てのケースに当てはまるわけではありません。
格安SIMを利用した場合
任意整理中でスマホの分割購入が難しい場合でも、格安SIMの契約を検討するのは有力な方法の一つです。
格安SIMは、一般的に審査が比較的緩やかだとされています。
以下にその理由と注意点を解説します。
格安SIMを提供する通信会社は、大手キャリアと比べて審査基準が緩いことが多いです。
その理由は、ビジネスモデルの違いやシンプルなサービス提供にあるとされています。
また、格安SIMでは、主に低コストでサービスを提供することに重点を置いています。
そのため、大手キャリアに比べて、契約審査のハードルを低く設定していることが多いです。
これにより、任意整理中の人でも契約しやすくなっています。
また、格安SIMの多くは、通信サービスだけに特化しているため、複雑なオプションや高額な端末の購入を含まない契約が多いです。
このシンプルなサービス内容が、審査基準を緩和する要因となっています。
とはいえ、任意整理中のスマホの分割購入は難しい
任意整理中にスマホの分割購入ができた人もいるため、自分も可能だと考えるお気持ちはよくわかります。
しかし、安易に考えないほうが賢明でしょう。
なぜなら、分割払いの申し込みを行うと、携帯電話会社が信用情報を照会するため、任意整理中であることが明らかになるからです。
任意整理中であることが判明すると、支払い能力に疑問を持たれる可能性が高く、分割払いの審査に通過しないのが一般的です。
このように、任意整理中にスマホを分割で購入することは難しいとされています。
分割払いの審査に通過するかどうかは、審査の厳格さや個別の状況に左右されますので、確実に通過する保証はありません。
任意整理中にスマホの分割購入の審査に通過しなかった場合の対応策
任意整理中は、スマホの分割購入の審査に通過しにくいことが多いですが、いくつかの方法で対応することが可能です。
以下に、任意整理中でもスマホを入手するための対策を説明します。
一括で支払って購入する
スマホの分割払いは信用情報の照会を伴います。
言い換えると、一括で支払うのであれば、信用情報の確認はされないのです。
ただし、最新のスマホは高額なため、一括で支払うのは難しいかもしれません。
ですので、グレードを落とした金額の安い機種などを選ぶといった工夫が必要になります。
中古端末を購入する
新品のスマホは高額なため、中古端末の購入も一つの方法です。
中古スマホはリサイクルショップやオンラインショップで比較的安く入手することができます。
ただし、中古スマホを購入しても、利用するには携帯ショップで各キャリアやSIMカードを契約する必要があります。特に、既存の契約が解除されている場合は、回線の契約手続きを行うことを忘れないようにしましょう。
また、中古品の中には状態が悪い者も含まれています。このようなジャンク品は金額が安い一方で、動作に問題がある場合もあります。
ですので、動作に問題がないか、ジャンク品の場合は欠点がどこにあるかを事前に確かめることが重要です。
家族名義で購入する
家族にスマホの契約を頼み、家族名義でスマホを使用する方法もあります。
この場合、自分が端末代金や毎月の通信料を支払うことになります。
家族の信用情報に影響を与えずにスマホを入手することができます。
注意点としては家族の了承を得る必要があるということです。
そのため、信頼関係を大切にし、利用料金や端末代金をきちんと支払うことが前提です。
まとめ
任意整理中でも、工夫次第でスマホを利用し続けることは可能です。
ただし、分割購入の審査に通過しにくいこともありえます。
その場合は、一括払いや中古端末の購入、家族名義での契約などの方法を検討してみましょう。
また、任意整理中にスマホを使い続ける際は、いくつかの注意点があります。
特に、端末代や利用料金の滞納は避けなければなりません。
滞納が続くと強制解除や法的措置のリスクがあるため、早期の支払いが重要です。
また、任意整理前にスマホの支払い方法をクレジットカード以外に変更しておくことで、滞納のリスクを回避できます。
状況に合わせた対策を講じることで、任意整理中でもスマホを手放すことなく、生活に欠かせないコミュニケーションツールとして活用していきましょう。