任意整理と借り入れ
債務整理中に新たな借り入れをすることは、返済リスクを高め、債務整理の失敗や専門家との信頼関係の悪化につながるため、絶対に避けるべきです。
しかし、生活に困窮している状況では、解決策を見つける必要があります。
ここでは、
- 任意整理中に借り入れは可能か?
- 任意整理中に借り入れをしてはいけない理由
- 任意整理中でもお金を借りずに生活の安定を図る4つの方法
をご紹介します。
具体的な対処法を知ることで、困難な状況を乗り越えるヒントが得られるでしょう。
ぜひ、参考にしてください。
任意整理中に借り入れが難しい理由は「信用情報に影響が出るから」
債務整理をすると信用情報に記録が残る
債務整理を行うと、新たな借り入れが難しくなります。
その理由は、「信用情報に影響が出るから」です。
信用情報とは、個人の金融取引に関する詳細を記録したデータのことを指します。
借金の申し込みから契約、返済履歴までが含まれているのです。
この信用情報は、信用情報機関によって管理されています。
金融機関やクレジットカード会社から提供される情報が集められているのです。
債務整理や支払い遅延があると、その情報は「事故情報」として記録されます。
いわゆるブラックリストに載ってしまうのです。
このため、金融機関は事故情報を元に、融資の可否を判断するのです。
信用情報に事故情報が載っていると審査は通りづらくなる
信用情報に事故情報が含まれていると、金融機関の審査が厳しくなります。
審査では、申込履歴や取引履歴、借入額などが検討されるのです。
例えば、信用情報で多額の借入が確認されると、返済能力に疑問を持たれます。
そのため、融資が断られることがあるのです。
支払い遅延や債務整理が記録されている場合、これらは返済の約束を守っていない証拠と見なされます。
つまり、事故情報は貸金業者等の審査に対して、悪影響を及ぼすのです。
審査に通った!そんな時でも、任意整理中に借り入れはしてはいけない4つの理由
ここまでは、任意整理中の借り入れが難しいということを解説してきました。
しかし、債務整理中に運よく借り入れができた場合でも、新たにキャッシングをするべきではありません。
その理由は以下の通りです。
まず、債務整理中に追加の借り入れを行うことは、さらなる借金を増やすことになります。
返済リスクを高める行為なのです。
これにより、債務整理が失敗するリスクも増加します。
場合によっては、弁護士や司法書士との契約が解除されてしまう可能性もあるのです。
以下に詳しく解説していきます。
理由①|任意整理中の借り入れは返済が出来なくなるリスクが高い
債務整理中に新たな借り入れをする最大のリスクは、返済が困難になることです。
既に返済が難しくなっているために債務整理を行っている状況で、さらに借金を増やすと、返済負担が一層増すのです。
この状況では、返済が一層難しくなるのは明らかです。
理由②|債務整理に失敗するリスクが高まる
次に、新たな借金が債務整理の進行に悪影響を及ぼす可能性があります。
債務整理には、裁判所を通じた法的整理や業者との交渉を行う任意整理があります。
特に法的整理の場合、借金を増やすことで手続きが失敗するリスクが高まるのです。
自己破産の場合、免責不許可事由に該当する可能性があります。
個人再生の場合、債権者の同意を得るのが難しくなるかもしれません。
理由③|弁護士や司法書士に契約解除される場合も……
債務整理中に新たな借り入れを行うと、弁護士や司法書士との信頼関係が損なわれるリスクもあります。
これらの専門家は、依頼者が手続きを適切に行うことを前提にサポートしています。
しかし、借金を増やす行為は手続きの失敗を招くのです。
そのため、契約が解除される可能性もあるのです。
理由④|その貸金業者、本当に大丈夫な会社ですか?
事故情報があるからといって、必ずしも融資が受けられないわけではありません。
ただ、大手金融機関は信用情報に影響がある場合、普通は融資を拒否します。
ですので、候補として上がるのは、中小規模の消費者金融等になってしまいます。
これらの業者は、事故情報があっても融資を行うことがあり、比較的審査が甘いと言えます。
そのため、「困ったときに助けてくれる」という印象を持つかもしれません。
しかし、このような「審査が甘い」と言われる業者では、高金利や厳しい取引条件が設定されることが多いのです。
また、認可されていない詐欺業者や闇金業者が近寄ってくるケースもあります。
結果として、不当な契約や法的トラブルに巻き込まれる危険性があります。
【結論】債務整理中の借り入れは絶対NG!
以上の理由から、債務整理中に新たな借り入れをすることは絶対に避けるべきです。
追加の借金は返済問題を悪化させ、債務整理の手続きに悪影響を及ぼします。
専門家との信頼関係にも問題を引き起こすのです。
さらに、高リスクの貸金業者と関わることになります。
これらの理由から、任意整理中には、借り入れは避ける必要があるのです。
「お金を借りないと生活ができない!」そんなときの対処法4選
債務整理中で新規の借り入れが難しいときでも、生活に困る状況は解決しなければなりません。
ここでは、貸金業者からお金を借りる以外の方法で困難に対処する方法をご紹介します。
これらの方法を活用して、生活を安定させる手助けにしてください。
対処法①|家族や身内に頼る
まず第一に、家族や身内に頼ることが考えられます。
家族からの支援を受けることで、金銭面だけでなく、食事や住居、その他のサポートを得られる可能性があります。
ただ、家族に困窮や借金の状況を知られるリスクもあるという点には注意が必要です。
特に、過去に家族から借金を繰り返している場合、信頼関係が損なわれているかもしれません。
家族からの支援を受ける際には、感謝の気持ちを持ち、謙虚な姿勢で接することが大切です。
対処法②|市役所に行く
次に、市役所を頼る方法があります。
市役所は、生活困窮者への支援を行っており、債務整理中でも利用できる支援制度がいくつかあります。
例えば、生活保護や住居支援、食料支援などがあるのです。
これらの支援制度は、所得制限や条件がありますが、申請することで生活の安定に役立つことが多いです。
市役所では、公的支援制度を利用することで、生活費の負担を軽減する手助けが受けられます。
生活が厳しいと感じたら、早めに市役所に相談し、利用可能な支援制度を確認することが重要です。
支援を受けることで、生活の安定が図れるだけでなく、精神的な安心感も得られるでしょう。
対処法③|収入を増やすためには働く
お金がない原因は、出ていくお金が多いか、収入が少ないかのどちらかです。
収入を増やすことで、生活が安定するのみならず、借金返済のための原資も準備しやすくなります。
そのため、働いて収入を増やすのが最優先の対策となります。
例えば、飲食店やコンビニのバイトは、比較的簡単に始められることが多いです。
また、特技や趣味を活かした副業も検討してもいいでしょう。
料理が得意ならケータリングサービスを提供したり、趣味の写真撮影でフリーランスのフォトグラファーとして働くこともできます。
さらに、資格取得やスキルアップを目指すことで、より高収入の仕事に就くチャンスを得るのも良い選択肢です。
対処法④|家計収支を見直す
最後に、家計の収支を見直すことが非常に重要です。
生活費が足りないと感じる理由を具体的に把握し、根本的な問題を解決しましょう。
毎月の家賃や光熱費など、必ずかかる支出が収入を超えている場合、まずは支出が多すぎるか、収入が不足している可能性があります。
無駄な支出を削減し、必要な支出を優先することで、家計の改善が期待できます。
また、収入を増やす方法と併せて、家計の見直しを行うことで、安定した生活を取り戻す手助けになります。
家計を見直すことで、必要な支出と不必要な支出のバランスを整え、経済的な安定を図りましょう。
まとめ
債務整理中に新たな借り入れをすることは、返済リスクを高め、債務整理の失敗や専門家との信頼関係の悪化につながるため、絶対に避けるべきです。
しかし、生活に困窮している状況では、解決策を見つける必要があります。
家族や身内に支援を求めたり、市役所の公的支援制度を利用したりすることで、生活の安定を図ることができます。
また、副業や資格取得でスキルアップを目指し、収入を増やす方法もあります。
家計の収支を見直し、無駄な支出を削減することも重要です。
これらの方法を組み合わせることで、債務整理中でも生活の安定を目指すことができるのです。
困難な状況でも、適切な対処法を見つけ、前向きに取り組んでいきましょう。