債務整理の誤解
債務整理は借金問題を解決するための有効な手段です。
ただし、その仕組みや影響について誤解している方も多いようです。
ここでは、債務整理に関するよくある誤解についていくつかご紹介します。
債務整理をしたら一生ブラックのまま?
A.誤解です。
債務整理をすると、信用情報に事故情報が残ることとなります。
いわゆるブラックリストと言う状態です。
しかしこれは、一定期間経過した段階で記録が抹消されます。
回復後は問題なく審査を通すことが出来るようになります。
そのため、二度と借りられなくなる、一生ブラックのままということはありません。
債務整理をしたら仕事を解雇される?
A.誤解です。
債務整理を行ったことが理由で、職を失うことはないと言えます。
債務整理を実施したことをもって解雇するのは、原則として認められません。
ただし、いくつか注意すべき点があります。
まず、債権者に勤務先を知られていて、給与の差し押さえを受けた場合です。
本来、借金について会社に知らせる義務はありませんが、給与差し押さえの事実は会社にバレてしまいます。
次に、自己破産や個人再生の手続きを取る際の注意点です。
これらの法的整理には、退職金に関する規定を裁判所に提示する必要があります。
そのため、会社から退職金証明書を発行してもらうか、就業規則を確認しなければなりません。これにより、会社から不審に思われる可能性はあるでしょう。
さらに、自己破産の場合、職業によっては制限を受けるものがあります。
そうした職種に就いている人が自己破産すれば、会社に迷惑をかけてしまう恐れがあります。
債務整理をしたら家族のカード審査に影響はある?
A.誤解です。
債務整理をして、信用情報に影響が出るのは、あくまで債務整理をした本人だけです。
債務整理をしたからといって、家族がクレジットカードを作れなくなるようなことはありません。
ただし、債務整理をした人を保証人とする場合は、その人も審査の対象となります。
ですので、家族に問題がなくても審査を通らない可能性はあり得ます。
債務整理をしたら引っ越しに影響はない?
A.正確ではありません。
賃貸物件を借りる時は審査があります。
ただ、信用情報は、金融機関だけが閲覧できるものです。そのため、債務整理をしていても、不動産会社に見られることはありません。
したがって、問題なく賃貸物件を契約できます。
ただし注意点もあります。
まず、家賃保証会社がクレジットカード会社等の関連企業だった場合です。
この場合は、審査に通らないこともあり得ます。
また、最近では家賃はクレジットカード決済を原則とする物件もあるようです。
このような物件に住むことはできない可能性があります。
債務整理中は生活保護は受給できない?
A.誤解です。
債務整理をしていても、生活保護を受けられますし、債務整理中に申請することも全く問題ありません。
むしろ、借金で生活が回らないという方も多いので、積極的に活用するべきでしょう。
また、生活保護を受給中に債務整理を行うこともできます。
債務整理をしたら住民票や戸籍等へ記載される?
A.誤解です。
債務整理を行ったという事実が、住民票や戸籍に記載されることはありません。
そのため、住民票や戸籍から債務整理の事実が発覚することはありません。
また、結婚や離婚、相続等に影響が出ることもありません。
債務整理はズルい?
A.誤解です。
しばしば、債務整理は借金踏み倒し方法というようなイメージを持つ方もいます。
ですが、債務整理は借金逃れのための悪質な行為などではありません。
返済に行き詰まった借金を、法的手続きで整理し、生活再建を図るための方法なのです。
ですから、借金返済に苦しむ人にとっては、借金問題解決のための正当な選択肢の一つと言えるでしょう。
債務整理をしたら家族や友人にバレる?
A.誤解です。
任意整理の手続き自体が公表されることはありません。
そのため、基本的には家族や友人に知られる心配はありません。
一方、個人再生や自己破産の場合は、知られる可能性があります。
例えば、家族や知人から借金をしているときに自己破産をすると、これらの債権者にも通知を届けることとなります。これにより、借金がある事実を知られてしまいます。
また、官報に掲載されます。
これは、見れば誰でも知ることができますので、知られる可能性はあるでしょう。
しかし通常、官報をチェックする人は少ないので、実際に見られる可能性は低いと言えます。
債務整理をしたら財産を全て失う?
A.正確ではありません
特に自己破産では、家や車などの資産を手放さなければならないこともあります。
ですが、全ての債務整理で財産が失われるわけではありません。精算対象となるのは、あくまで価値ある財産のみです。
ですから、自己破産でも、一定額までは財産を守ることができるのです。
債務整理は選挙権への影響はない?
債務整理をしたことで、選挙権を失うことはありません。
弁護士以外にも相談できる
債務整理については、司法書士にも無料で相談できます。ただし司法書士が扱えるのは、1社あたり140万円までの借金に限られます。