自己破産がおすすめ
借金の返済に苦しんでいる方にとって、自己破産は新たなスタートを切るための重要な選択肢の一つです。
しかし、自己破産にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
この記事では
- 自己破産の概要、メリット・デメリット
- 自己破産がおすすめの人の特徴
について詳しく解説します。
自己破産の概要とメリット・デメリット
自己破産とは、裁判所の手続きを経て、原則的に全ての借金が免除される制度です。
たとえ借金額がどれほど過大であっても、借金が免除されるというメリットがあります。
つまり、借金に苦しむ人々に新たな人生をスタートさせるチャンスが生まれるのです。
自己破産のメリット
自己破産の主なメリットは、以下の通りです。
- 借金の支払い義務を免除される
- 債権者からの取立てや差押えの停止
- 生活に必要な財産は残せる場合がある
借金の支払い義務を免除される
自己破産では、裁判所の決定が下りると、原則として借金が免除されることとなります。
金額は問わず、たとえ100万円でも、1000万円でも免責を受ければ返済義務がなくなるのです。
結果として、借金の重荷から解き放たれ、新しい生活を始められます。
債権者からの取立てや差押えの停止
自己破産手続きの開始により、債権者は債務者への直接的な取り立てはなくなります。
また、既に財産の差押え等が始まっている場合、裁判所は手続きを停止する場合があります。
これらの効果により、平穏な生活を取り戻すことに繋がります。
生活に必要な財産は残せる場合がある
よくある誤解に、「自己破産をするとすべての財産を清算しなければならない」というものがあります。
実際、清算は必要なのですが、清算されるのはあくまで「一定以上の価値のある財産」です。
つまり、全財産が没収されるわけではなく、生活に不可欠な現金や家財道具等は持ち続けることが可能なのです。
また、ある程度価値のあるものであっても、裁判所が清算しなくてもいいと判断することもあります。
例えば、足が悪く移動に車が必須の場合等には、車を残していいと判断することもあるのです。
自己破産のデメリット
信用情報に事故情報が記録される
自己破産手続きを行うと、信用情報機関にその情報が記録されます。
その結果、一定の期間、クレジットカードの発行やローンの契約等が難しくなる可能性があります。
ただし、自己破産の記録は約5~10年の期間で消えることとなります
財産を処分する必要がある
自己破産をすると、原則としては、価値ある財産を処分しなければなりません。
ただし、メリットでも述べた通り、財産をすべて手放すわけではありません。
あくまで生産が必要なのは、価値ある財産だけです。
職業上の制限
自己破産の期間中、一定の職業に関しては、資格制限がされる場合があります。
例えば、警備員や保険外交員、弁護士等の士業などは、自己破産手続き中は就業を出来なくなります。
ただし、この制限はあくまで自己破産手続き中の話です。
自己破産の前後に影響はありません。
手続きにかかる費用
自己破産手続きをする際には、裁判所への申立費用等、手続きに一定の費用が発生します。
また、自己破産をする際には弁護士や司法書士に依頼をすることが通常です。
ですが、この依頼にも報酬等の形で費用が発生します。
自己破産がおすすめの人の特徴
ここまでは、自己破産の概要について説明してきました。
では、どのような人が自己破産をするべきなのでしょうか?
以下に、自己破産がおすすめの人の例を列挙しました。
自己破産がおすすめの人(1)|借金の総額が極めて多額である場合
まず、他の債務整理方法では返済が困難なほど、膨大な借金を抱えている場合です。
他の手続では、借金を減額することはできても、返済が免除されるわけではありません。
そのため、他の手続で減額してもなお、返済が難しいケースでは、自己破産を検討するべきでしょう。
借金の重荷からの解放を目指すための現実的な手段となり得ます。
免責を受けることで、全ての借金を一括で整理することが可能です。
自己破産がおすすめの人(2)|安定的な収入がなく、将来的にも返済の見通しが立たない場合
安定的な収入がなく、将来的にも返済の見通しが立たない場合も、自己破産がおすすめです。
例えば、無職や低所得であり、今後も借金を返済する能力が乏しいと判断される場合です。
このようなケースでは、他の手続きを取っても返済が出来なくなる可能性が高いです。
収入増加の見込みがない限り、返済不能な状況と言わざるを得ません。
そのため、自己破産により借金の支払いを免責することが望ましいと言えるでしょう。
自己破産がおすすめの人(3)|特別な事情により返済が難しくなった場合
(2)とも重なりますが、特別な事情により返済が難しくなった場合も考えられます。
例えば、病気や失業等の事情により、借金の返済が困難な状況に陥った場合などです。
病気や失業による減収は、回復の見通しを立てることが難しく、個人の力では乗り越えられない深刻な経済的困窮を意味します。
そのため、自己破産を検討するべき事情と言えるでしょう。
自己破産がおすすめの人(4)|財産がほぼない場合
自己破産手続きには財産の処分が伴います。
つまり、財産が少ない人にとっては、あまり大きな問題にならないのです。
また、処分、清算の手続きがない分、短期間で自己破産が終わることにもつながります。
自己破産がおすすめの人(5)|日常生活さえ困難になっている場合
借金の返済により、日常生活さえ困難になっている場合も自己破産を考えるべきでしょう。
借金返済のために基本的な生活費が確保できない状態にある場合、既に返済能力が足りていないということは非常に多いです。
また、このような状況にある人の中には、借金返済に困窮した結果、追加の借り入れを行い更なる多重債務に陥っていく方もおられます。
自己破産はその状況を抜け出すための手助けとなります。
借金により日常生活すら満足に送れない状態であれば、自己破産により生活の立て直しのきっかけを得ることができるでしょう。
まとめ
自己破産は、多額の借金を抱え、返済の見通しが立たない人にとって、再スタートを切るための重要な選択肢の一つです。
借金からの解放や取り立ての停止、必要最低限の財産の保持などのメリットがある一方で、信用情報への登録、財産の処分、職業上の制限、精神的負担、手続き費用などのデメリットもあります。
自己破産が適しているのは、膨大な借金があり、安定した収入がなく、特別な事情により返済が困難で、財産がほとんどなく、日常生活が困難になっているような場合です。
しかし、自己破産は個人の状況によって適否が異なるため、専門家に相談し、慎重に検討することが重要です。