一括返済と債務整理は、どちらも借金を解決するための有力な選択肢です。
しかし、どちらの方法が自分に合っているのか迷ってしまうことも多いですよね。
この記事では、一括返済と債務整理のメリットとデメリットを詳しく比較し、どのような場合にどちらを選ぶべきかを解説します。
自分に最適な借金の解決方法を見つけて、前向きな人生を取り戻しましょう。
一括返済のメリット
借金からのスピーディーに抜け出せる
一括払いをすることで、借金の問題に早期に区切りをつけることができます。
たとえば、100万円の借金を一括で返済すれば、その翌日からはその借金についての支払い義務がなくなります。
これにより、分割返済よりも早く債務から解放されるのは大きなアドバンテージです。
利息の負担が小さくなる
借金は、元金に対して1日ごとに生じる利息を付して返済しなければなりません。
この利息は、1日で数十~数百円程度と少額であることがほとんどです。
しかし、この利息が積み重なり、返済日には数千円、数万円取られることもあります。
たとえば、長期の分割返済だと、元金の完済までは毎日利息が生じます。
つまり、長期間借金を続けることは、支払総額が膨らむ原因となるです。
ですが、一括返済ならそのような心配はありません。
一括返済をしてしまえば、元金がなくなるわけです。
その結果、一括返済のの日以後は、利息は生じません。
これにより、返済の総額を抑えられるのが一括返済の大きな魅力なのです。
心理的なプレッシャーから解放される
毎月の返済に追われ、いつ完済できるかわからない借金を抱えることは、心理的なプレッシャーとなり得ます。
ですが、一括返済によって、精神的なプレッシャーを和らげることができます。
毎月の返済プランを考える必要がないので、心の重荷が減ります。
とりわけ、多重債務者にとって、一括返済で複数の借金を一気に片付けられるのは大きな安心の材料となるのです。
信用情報への影響期間の短縮
一括返済の場合、信用情報への記録がありません。
信用情報とは、金融機関が利用者の借入状況や返済履歴を記録したデータのことです。
一括返済で借金を完済できれば、信用情報にマイナスの影響を与えずに済むのです。
一括返済の主なデメリット
高額な返済金を準備しなければならない
一括返済には、全ての借金を一度に返済する必要があります。
たとえば、500万円の借金を一括で返済するには、同額の現金に加えて、利息に相当する金額を用意しなければなりません
そのため、借金の額が大きすぎる場合には、一括返済は現実的ではないこともあり得ます。
生活が圧迫されるリスク
一括返済のために資金を貯めるためには、収入を増やしたり、支出を減らす必要があります。
ですが、そのために生活費を切り詰めたりすると、生活が苦しくなってしまいます。
たとえば、家賃や食費を削らざるを得なくなると、生活の質が大幅に低下することがあります。
このように、高額な支払いを一度に行うことで、日常生活に必要なお金が不足する可能性があるのです。
新たな借金をする可能性
次に新たな借金を作ってしまうリスクもあります。
例えば、借金を一括で完済するために、両親や親族に頼るケースです。
この場合、大体は「貸してくれる」だけであり、お金を貰えるわけではありません。
結局、家族等に返済しなければならず、借金自体はなくなっていないのです。
また、信用情報に影響が出ないことも問題です。
逆ではないかと思うかもしれませんが、そうではありません。
信用情報に影響が出ないということは、引き続き借り入れができるということです。
例えば、一度借金を完済しても、生活費が足りなくなって再度借り入れを行うケースが考えられます。
つまり、一括返済後に新たな借金を再開してしまう可能性があるのです。
借金が2倍に増えた!?
よくある事例ですが、親族や家族からお金を借りて一括返済を行ったものの、生活費が足りずに消費者金融から再度借り入れを開始、結果として、親族や家族から借りたお金と消費者金融から再度借りたお金で借金が2倍になっただけ……というケースは頻繁に耳にします。
信用情報に影響が出ていれば、消費者金融からの借入は避けられていました。
信用情報に影響が出ないことは、決していいことばかりではないことに注意が必要です。
一度支払うと取り戻せない
借金を一度支払ってしまうと、後から取り戻すことはできません。
これにより、手元に資金がなくなり、緊急の出費に弱くなるというリスクがあるのです。
たとえば、病気やケガで急な医療費が必要になった時に、手元に現金がない状況に陥ってしまうリスクが高まります。
どころか、これを避けるために借金をするというケースも多々あります。
それで負債を膨らませれば、一括返済の意味がなくなってしまいます。
債務整理の主なメリット
借金額の減額が可能
債務整理の最大のメリットは。借金額を減額できることです。
例えば、個人再生では、借金を5分の1から10分の1程度まで減額できる場合があります。
これにより、経済的な負担を軽減できるのです。
利息の支払いの免除
債務整理では、将来発生する利息の支払いを免除してもらえるケースがあります。
たとえば、任意整理という方法では、債権者と交渉して、利息を免除してもらえることもあります。
利息が年利15%の借金であっても、債務整理後はその利息の支払いが免除され、返済総額を大幅に抑えられるのです。
返済計画の立案
債務整理により、自分の収入に見合った無理のない返済プランを立てることができます。
毎月の返済額が5万円だと返済が難しく、準備できるのは毎月3万円の方がいたとします。
この方は、債務整理で毎月の返済額を3万円まで落とせれば、返済は十分可能でしょう。
このように、毎月の支払いが現実的な金額で行えるのも債務整理のメリットです。
債務整理の主なデメリット
信用情報への5年間の登録
債務整理を行うと、信用情報機関に5~10年間記録され、新たな借入が難しくなります。
たとえば、住宅や自動車のローン、クレジットカードの審査が通らないことになるのです。
ただし、これは借金をこれ以上増やさないで済むというメリットにもなり得ます。
手続きに要する時間
債務整理の手続きには時間がかかるケースがあります。
任意整理のような比較的短期間で済む手続であっても、手続きの完了まで数ヶ月から1年程度を要することがあります。
また、自己破産や個人再生のような手続きの場合は、1~2年程度の期間を要することも珍しくありません。
手続きによる財産の処分
債務整理の手続きによっては、自分の財産を手放さなければならないケースがあります。
たとえば、自己破産を選択した場合、家や車などの資産を処分する必要が生じることがあります。
このため、大切な財産を手放すリスクが伴うのです。
一括返済と債務整理のどちらを選ぶべきか
どちらの方法を選ぶべきかは、現在の経済状況や借金額、今後のライフプランなど、様々な要素によって異なります。
まとまった資金があり、借金から早期に解放されたい場合
まとまった資金があり、借金から早期に解放されたい場合、一括返済が適しています。
たとえば、ボーナスなどで一定の資金が確保できる場合、一括返済で借金問題を早期に解決できます。
一方、債務整理はどうしても時間がかかってしまいます。
任意整理のような比較的短期間で済む手続であっても、手続きの完了まで数ヶ月から1年程度を要することがあります。
また、自己破産や個人再生のような手続きの場合は、1~2年程度の期間を要することも珍しくありません。
ですので、早期に借金を完済したい方は、一括返済を検討するべきでしょう。
利息や延滞料を削減したい場合
債務整理では利息のカットが可能で、経済的な負担を減らせます。
一方、一括返済でも利息の節約ができます。
ただし、一括返済の場合は、多額のお金を準備する必要があります。
反対に、債務整理の場合は、3~5年の分割払いが可能となることが多いです。
そのため、債務整理をすることで、毎月の返済額が少なくなることも多いという点には注目をするべきでしょう。
借金額が多く、一括返済が難しい場合
借金額が多く、一括返済が難しい場合は、債務整理が適しています。
大きな借金がある場合、債務整理によって返済額を減らし、長期的な返済プランを立てることができます。
また、返済が困難である場合は、自己破産や個人再生により、返済の免除を認めてもらうことも、検討するべきでしょう。
いったん支払いを停止したい場合
どうしても返済が難しく、いったん支払いを停止したい場合には、債務整理が適しています。
債務整理を弁護士や司法書士といった専門家に依頼することで、業者への返済をいったんストップすることが出来ます。
また、業者からの督促の連絡なども止めることが出来るなど、メリットが非常に多いです。
まとめ
一括返済と債務整理は、どちらも借金問題を解決するための有効な方法です。
一括返済は、まとまった資金があり、すぐに借金から解放されたい場合に適しています。
一方、債務整理は、借金額が多く返済が難しい場合や、いったん支払いを停止したい場合に適しています。
利息や延滞料の削減は、どちらの方法でも可能です。
自分の状況に合わせて、メリットとデメリットをよく考えて選ぶことが大切です。
判断に迷う場合は、専門家に相談して最適な方法を見つけましょう。
一括返済と債務整理を上手に活用することで、借金問題を解決し、前向きな生活を取り戻せるはずです。