任意整理中に資金不足に陥ると、新たな借り入れに手を染めたくなるものです。
しかし、それは問題の根本的な解決にはなりません。
任意整理中に資金が足りないからといって、借金に頼っては悪循環に陥るだけです。
では、任意整理中の資金不足にはどう対処すればよいのでしょうか。
この記事では、任意整理中に資金が足りないときの対処法をいくつかご紹介します。
そして何より大切なのは、借金の返済を後回しにせず、コツコツと支払い続けることです。
責任ある債務者として、借金返済を最優先しましょう。
任意整理中に資金不足に陥ったときの対処法
任意整理の最中に資金が足りなくなった場合、新たな借り入れは避けるのが賢明です。
しかし、借金に頼ることが習慣化している債務者の方々にとっては、それが難しいことでしょう。
そこで、任意整理中に資金が不足したときの対処法をいくつかご紹介いたします。
【方法①】収入アップを目指す
自分の生活は自分の力で切り拓くのが原則です。
資金不足に直面すると、多くの人は他者に助けを求めがちですが、これが悪循環を招くことがあります。
お金が足りないからといって、消費者金融やクレジットカードに手を出しては、返済のための新たな借金を作るだけです。
すでに多額の債務を抱えている方にとっては耳の痛い話かもしれませんが、困窮時に他人に頼ったツケが返済不可能な莫大な借金となっているのです。
繰り返しますが、自分の生活は、自分で面倒を見るものです。資金が不足しているなら、十分な収入を得るしか解決策はありません。
そのためにまず、副業などで収入アップを図りましょう。
飲食店やコンビニでのアルバイトなどを始めれば、安定した収入が得られ、債務整理の負担を和らげることができます。
ただし、困窮者の中には、インターネット上の怪しげなアルバイトに手を出す人もいます。
例えば、自分の銀行口座を売ったり、高齢者宅を訪問してお金やキャッシュカードを受け取る仕事などです。
こうした仕事には犯罪行為に該当するものが少なくありません。絶対に避けるべきです。
また、詐欺まがいのビジネスにも関わらないようにしましょう。
ネット上で見かける怪しい副業や情報商材は、ほとんどが儲からないか、購入するだけ無駄なものばかりです。
【方法②】家計のやりくりを見直す
多くの債務者は、生活費を借金で賄うことが多いのです。
しかし、これでは問題の解決には絶対に繋がりません。
毎月必要となる生活費を借金で払い続けるのは、持続不可能だからです。
そのため、安定した生活を送るには、家計のやりくりを見直すことも重要になります。
生活費の中で本当に必要な出費と不要な出費を仕分けることが肝心です。
例えば、毎日の飲酒やコンビニ食が習慣化していると、家計に大きな負担となります。
自炊を心がけ、節制することで少しでも支出を抑えるよう努めましょう。
また、娯楽や趣味にかけるお金を減らすことも検討しなければなりません。
すべての趣味をやめろと言うつもりはありませんが、趣味のために借金の返済ができないのは本末転倒です。
債務の返済を最優先にすべきです。
【方法③】身内や知人、勤務先に助けを求める
身近な人々や勤務先の会社に支援を仰ぐのも一案です。
家族や友人からの援助は信用情報に影響しないので、生活費や急な出費に充てることができます。
ただし、援助を受ける際は感謝の気持ちを忘れず、相手に不平不満や責任を押し付けないよう注意が必要です。
また、勤務先からの借り入れも可能ですが、その場合は「借りたら辞めるな、辞めるなら借りるな」という覚悟が求められます。
会社に借金を肩代わりしてもらったにもかかわらず、退職してトラブルになるケースは後を絶たないからです。
会社からの融資は社員への温情であり、信頼関係があってこそのものです。
このような事態を避けるため、会社の支援を受ける際は、雇用契約を守り、会社との信頼関係を損なわないよう誠実に働き続けることがとても大事です。
【方法④】公的支援制度を利用する
資金不足に陥ったら、公的機関の支援制度を活用するのもよいでしょう。
市役所や社会福祉協議会などが提供している支援が役立つことがあります。
公的機関では、生活支援や住宅の提供、食料援助などを行っています。
家賃の支払いが滞った場合、役所が仮設住宅や公営住宅を斡旋してくれることもあります。
食料不足の際は、市役所やNGOが運営するフードバンクで支援を受けられる可能性もあります。
公的支援制度には所得制限や煩雑な手続きが伴いますが、高金利の消費者金融やクレジットカードに頼るよりは持続可能な解決策といえます。
生活に行き詰まったら、まずは公的機関に相談するのが賢明です。
高利の借り入れを避けるためにも、積極的に公的支援を利用しましょう。
【方法⑤】法律の専門家に相談する
債務整理中に資金不足に陥ったら、弁護士や司法書士に相談するのが有効です。
お金が足りない主な理由は、収入不足と支出過多です。
しかし、借金の返済額が過大である場合もあります。
その際は、破産や個人再生などの適切な手続きを検討し、返済額を減額できる可能性があります。
ただし、債務者が「車を手放したくないから破産は避けたい」などと言い訳をして、適切な方針転換を拒むことがあります。
このような債務者の身勝手な都合が、実際には問題解決の妨げになることが多いのです。
債務整理中は、現実的な選択をすることが重要です。
返済が不可能な場合は、車や家などを諦める勇気も必要です。
弁護士や司法書士に正直に相談し、ベストな解決策を探りましょう。
最後に
最後に、皆様にお伝えしたい大切なポイントがあります。それは「借金の返済を後回しにしないこと」です。
ほとんどの人は「お金がないから払えない」のではありません。
「お金はあったが、使い果たしたから支払えない」のです。
例えば、あなたの月収が10万円だとします。
この状況で「いくら返済可能ですか?」と問われたら、多くの債務者は「1万円」や「2万円」と答えるでしょう。
それは、家賃や光熱費、食費などを差し引いた残額を想定しているのです。
しかし、月収10万円あるなら、理論的にはその全額を返済に充てることができるはずです。
そして、収入を得たその日のうちに支払えば、滞納は防げるのです。にもかかわらず、ほとんどの債務者はそうしません。結局、生活費を優先して、借金は滞納するのです。
責任ある債務者になること
ではなぜ、大半の債務者は借金の返済を後回しにし、お金を使い切った挙句に滞納するのでしょうか?
これは、皆様の頭の中に「借金は後回しでよい」という発想があるからでしょう。
あるいは「自分の生活のためなら、他人に迷惑をかけてもかまわない」という犯罪傾向が強めな、利己的な考えがあるのかもしれません。
しかし、そのような態度は到底許容できません。
借金は、返す前提で借りているのです。ですから、返さないといけないのです。
過去には、迷惑行為や犯罪で炎上や再生回数稼ぎを狙う「迷惑系YouTuber」なる者がいました。
彼らは人の迷惑を顧みず、自分の金銭的利益のために悪事を働きました。
借金を返済しない債務者もこれと同じです。
自分でお金を使い果たしておきながら、資金不足を口実に返済を拒むのは、自分勝手に他人に迷惑をかけているだけです。
重ねて申し上げますが「お金がない」というのは単なる言い訳です。
本当は返済できるのに、払おうとしないだけなのです。そもそも借金は「返済できないなら借りてはいけない」のです。
こうした「迷惑系債務者」にならぬよう、責任ある債務者を目指しましょう。
これには、難しいことは何もありません。
給与日に返済の設定をしておけばいいだけの話ですから。
その設定すらできないのが迷惑系債務者です。
そして、その設定が出来るのが責任ある債務者なのです。
まとめ
債務整理中に資金不足に陥ったら、新たな借り入れは避けるべきです。
まずは副業などで収入アップを図りましょう。
家計のやりくりを見直し、不要な出費を減らすことも大切です。
身内や勤務先に助けを求めるのもよいでしょう。
公的支援制度の利用も検討に値します。
返済額が過大なら、弁護士や司法書士に相談し、破産や個人再生などの手続きを検討しましょう。
そして何より大事なのは、借金の返済を後回しにしないことです。
収入を得たらすぐに返済に充て、滞納を防ぎましょう。
「お金がない」は言い訳に過ぎません。
責任ある債務者として、借金返済を最優先すべきなのです。